終身雇用が揺らいでくると、早期リタイアは増えるんじゃないかな

 

 早期リタイアというものは、終身雇用へのアンチという側面が無きにしも非ず。そして、終身雇用に関する次のニュースがリタイアブログ界隈で話題になっています。

経団連会長“終身雇用を続けるのは難しい”

経団連・中西宏明会長「正直言って、経済界は終身雇用なんてもう守れないと思っているんです。どうやってそういう社会のシステムを作り変えていくか、そういうことだというふうに(大学側と)お互いに理解が進んでいるので」
(中略)
その上で、これまで日本では、4月の一括採用で入社せずに、あとから非正規で入社した場合、たとえスキルを身につけたとしても正社員に待遇で差をつけられるというケースを示し、そうした雇用システムに疑問を呈した。

 確かにリタイア者とその志望者がこのニュースに関心を持つ方がいるのは不思議ではありません。私も、自分の考えるところを少し述べてみましょう。

 

★昭和天皇陵がほど近い南浅川橋(東京都八王子市)
南浅川橋

 

日本における終身雇用・定年制度・早期リタイアの関係

 まず、終身雇用と定年制度というのはセットで捉えるべき関係である、ということを言っておきます。

 いくら「終身」雇用とはいえ、ある段階で区切りをつけないと、その職場には老人が溢れかえり、若い人の入社や昇進の機会を奪って、組織の新陳代謝が失われてしまうからです(だから本当は「終身雇用」ではなく「定年までの長期雇用」とでも言うべきでしょう)。

 そして早期リタイア。

 終身雇用や定年が一般的でないアメリカや、日本でも自営業者やフリーランスの方は、読んで字のごとく、「相対的に早めのリタイアをすること」くらいの意味でしかないでしょう。

 しかし日本の雇われ労働者の多くは、職場が定めている終身雇用や定年制度により、そのリタイア時期を決定しています。そのため、早期リタイアの概念にも、終身雇用や定年という語を含めておいた方がよさそうです。

 具体的には、日本の雇われ人にとっての早期リタイアとは、「定年を待たずに終身雇用のシステムから抜け出す」ということになります。

終身雇用と定年制度の動向

 最近は、少子化による人手不足のためか、定年の延長、あるいは定年後の再雇用が叫ばれています。実際、「どこそこの会社で定年を延長した」とか「再雇用で70歳まで働けるようにした」などの話はよく聞きますよね。

 この定年延長や再雇用ですが、これらは、終身雇用をより強化する方向での制度改正だったりします。これに対し、経団連会長は「経済界は終身雇用なんてもう守れない」とおっしゃっているのですから、これは明らかに矛盾です。

 結局、「少子化による人手不足(&税収・年金不足)だから年寄りも働かせろ」という単純な話ではなく、「数少ない(優秀な)若者を多く入社させるためには、年寄りは邪魔な存在」という考え方も、一方ではあるのではないかと、私は想像しています。

 このように終身雇用の強化と廃止、相反する2つの方向が存在するという不思議な状況のため、今後を予測するのはなかなか難しいですね。

 思うに、終身雇用は完全に廃止されることはなく、色々と形を変えボロを出しながらも、残っていくとは思います。「終身雇用は崩壊する」みたいな話はかなり前から出ているにも関わらず、定年延長や再雇用など、終身雇用を強化する流れも相変わらず存在しているからです。

早期リタイア者は多分増えていく

終身雇用が揺らいできたときに取り得る二つの防衛策

 とはいえ、終身雇用の基盤は今後ますます揺らいでいくことは容易に推察されます。ということは、それとセットの「定年」という制度もあてにならなくなり、ある会社に就職しても、いつまで勤められるのかは不明瞭になります。

 このとき、賢明な労働者は、いつクビを切られてもいいよう、何らかの防衛策をとるでしょう。

 例えば、自らの市場価値を高め、ある会社でクビを切られても他の会社で生き残れるようにしておく、という方法はその一つ。若者向けの色々な記事で推奨されている方法です。

 もう一つは、なるべく早くから貯金や投資などにより資産を増やし、ある会社でクビを切られても、ただちに経済的に問題が生ずることが無いようにしておくこと。こちらは、リタイアブログ界隈以外では、あまり聞かない方法です(笑)。

 ただ、この二つは相容れないものではなく、二つとも採用するのもアリでしょう。

 若い頃は、前者で頑張ろうという人が多いでしょうし、「自らの市場価値」で検索すると、確かに山ほどの記事がヒットするのです。

 でも実際のところ、「自らの市場価値」をいつまでも高め続けていくというのは可能でしょうか? どんなにスキルなどを身に着けたところで、年齢を重ねるほどに転職で不利になる(つまり自らの市場価値が落ちる)という状況が、簡単に改まるとはとても思えません。終身雇用は縮小できても、その根本にある新卒思考は、なかなかなくならないでしょうから。

 そこでクローズアップされるのが後者。お気づきと思いますが、これが早期リタイアに結び付くのです。

早期リタイアへのストーリー

 例えば、50歳でクビを切られたとしましょう。

 若い頃は「自らの市場価値」を拠り所に他社への転職が容易だった人でも、50歳になるとさすがに厳しくなります。そこで、いい機会だからと、それまでに準備してきた資金を元手に、そのままリタイアに走る、というのは大いにあり得るストーリーではないでしょうか。

 そして、このようなストーリーを、若い頃から想定して人生設計する人は今後増えてくるでしょう。様々な調査を見る限り、最近の若い人は昔よりも会社から距離を置いている人が多いようですし、リタイアブログ等の増加により、参考になる情報がネットにいくらでも転がっているからです。

 本ブログも10~20年後には、参考情報として扱われるようになっているでしょうか。

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