有給取得はマナー違反である!という話(理由によっては)

2019-02-27        |  

 

 私の職場はマシだと思いますが、どう考えても神経症としか思えないマナー、存在しますよね。

 随分前に話題になったのが、「印鑑傾けマナー」。

上司に出す印鑑は「左に傾ける」のがマナー? ネットは「狂ってる」「社畜魂だな」と大批判

 上司の印鑑に対し、自分の印鑑を傾けて押すと、上司に対してお辞儀をしているように見えて、おしゃれなのだそうです。住友淑恵さんなる「マナー研究家」の出題。

 私からするとアホとしか思えませんが、上の記事によると、この日本のどこかにはこのマナーが実在するようです。誰かが個人的に考え出したことが、ローカルに広がってしまったのでしょうな。

★これは花なのか?(東京都青梅市)
青梅

マナーにそぐわない有給取得はアウト!

 まぁ印鑑の押し方ぐらいなら、「アホらし」とは思いつつ、付き合ってあげてもよいのですが、これが「労働者の権利」の部分にまで及んでくるとしたら、穏やかではありません。

 少し古い記事ですが。。。

有給休暇に「マナー」は必要? 識者の指摘に「だから取得率が上がらない」とネット疑問視

有休を取るのに本来理由はいらないが、「仕事を休むことは職場に迷惑をかける」という視点から気遣いが必要と考える人も。そんな中、マナー講師が「会社を休む理由、これってセーフorアウト!?」を判断する企画がネットで話題を呼んでいる。

 ここで登場するのは、これまたマナーコンサルタント西出ひろ子さん。

 西出さんの説によると、「身内や友人の結婚式」や「子どもや身内の看病」「ペットの病気の世話」で有給を取るのはセーフだが、「田舎からの親戚の来訪」「町内会の集まり」「自転車・自動車のパンク」等はアウト(マナー違反)とのこと。

 有給取得の理由に、マナーというものが持ち込まれること自体オドロキですが、仮にマナーを言うにしても、「ペットの病気の世話」がセーフで、「田舎からの親戚の来訪」がアウト、という判断基準がよく分かりません(絶対この人の趣味入っているだろ)。

創作マナーの戦犯「マナー講師」

 この種のおかしなマナーについて戦犯として挙げられているのが、「マナー講師」です。前述の「マナー研究家」「マナー・コンサルタント」と同族でしょう。

ウソを拡散するいんちきマナー講師の“罪” 特に「就職マナー」講座は要注意!

 先の例で言えば、印鑑の傾けは実在する(ローカルな)マナーなのでしょうが、有給マナーについては、恐らくマナー講師の創作でしょうね。

 この記事にはいちいちうなずける指摘が多いです。

『社会の魑魅魍魎(会社の先輩や上司、取引先など)が、あなたのマナー違反を後ろ指さそうと待ち構えてますよ』と刷り込んでいる側面はあります。
(中略)
今の時代は“間違ってはいけない、正しく行動しなければいけない”という強迫観念に駆られている人が多いように感じます。

 これらの記述、おかしなマナーを含め、日本社会の問題点について、かなり本質を突いているように思います。

 日本社会においては、

  • 間違えることにより、相手の心証を悪くする。
  • それを実践しないことにより、競合他社に置いていかれる。

ということを避けるのが、何よりも優先されるきらいがあるように思えます。

 だから、どんなに小さなこと・おかしなことであっても、それを取り入れないことによるリスクを最も恐れるのでしょう。

 だから、「いらっしゃいませこんにちはー」という、人為的に作られた違和感たっぷりの挨拶とか、「つり銭を渡すときに、男性客の手の下に、男性店員が手を添える」みたいな気持ち悪く不自然な動作が、後を絶たないのだと思います。

有給マナーが「創作」された経緯を想像してみる

 ただ、前述の有給マナーですが、マナーコンサルタント・西出さんが全くのゼロから創作したとは思えません

 彼女にも当然クライアントがいるでしょうが、それは我々のような、しがない労働者ではなく、企業の経営層だったり人事部門だったり、というのが多いはずです。

 そういう人達の中には、有給取得を苦々しく思っていて、

左・吹き出し
頭の古い経営層

ウチの社員と来たら困ったもんだ。大した理由でもないのに、いとも簡単に有給を取得しようとするんだよ。

みたいな話をしているのを聞いたら、これはマナー講師にとっては、いい商売のネタではないでしょうか?

 というのも、有給の取得を法的に制限することは出来なくても、マナーによる歯止めはかけることが出来るからです。

 それぞれの有給取得理由がセーフかアウトかについては、取材を行って「ある職場では確かにマナー化している」、少なくとも「クライアント達はこうあって欲しいと考えている」ことを(ある程度は)見聞きし、そこに講師自身の見解を加えて、判断したものだと思います。

 このように、マナー講師がクライアント達に迎合して出来上がったのが、あの有給マナーなのでしょうね。

おかしなマナーも広まってしまえばそれが正義

 世に広まっているおかしなマナーは、そもそもの出所はマナー講師だったり、一部の人の思いつきだったりするのが大部分なのでしょう。

 問題なのは、そのような怪しい「マナー」であっても一度広まってしまうと、それに抗(あらが)うことは出来なくなり、おかしいと知りつつ、自分も従わなくてはならなくなることです。

 もし、有給マナーが広まってしまったら

 実は、西出氏のものよりはソフトとはいえ、既に結構広まっているんじゃないですか?

 創作マナーが、ローカルのうちに留まっているうちはともかく、ネットやテレビでまことしやかに拡散され、日本社会がそれに縛られてしまうようになると、目も当てられないですね。

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