GW10連休を喜ぶことができない心理

2018-12-26        |  
多摩川と日原川の合流
【奥多摩駅のすぐ近くで多摩川と日原川が落ち合う(東京都奥多摩町)】

 

 来年、天皇陛下の代替わりに併せて、GWが10連休となることが話題を集めています。私個人としては、在職最後の年に、このようなビッグボーナスがあるのは、嬉しいというかトクした気分なんですが、そうでない人も多いようです。

 本稿では、このように長期連休を素直に喜ばない、いや喜べない心理について、考えてみることにしましょうか。

朝日新聞の調査で10連休が嬉しくない人が多数

 この件について、何とあの朝日新聞がわざわざ世論調査の一項目に挙げています。

GWの10連休「うれしくない」45% 主婦層は53%

 朝日新聞社が15、16日に実施した全国世論調査(電話)で、来春の大型連休(GW)が10連休になることについて尋ねると、「うれしい」は35%で、「うれしくない」の45%の方が多かった。

 そして、次のまとめサイトには「10連休なんて嫌」な人達の言い分が多く載せられています。

そーだよね。10連休なんていらない!と考える人々の理由に納得

…サービス業の回答者からも「毎日忙しくなるから怖いだけ」…

…「嬉しくない」が多かったのは、「祭日も仕事なうえ、人手不足で忙しくなる」という「専門家(医師・弁護士・会計士など)」

…主婦の方からは「子供や夫が家にいるから炊事、家事が大変に」という声が

…日給で働いている人たちにとっては、10連休はありがたいだろうか? たちまち、収入が減ってしまう。

…混雑を懸念する声や、旅費がかさむといった理由が多くあがった。

 政府批判大好き・朝日新聞が、世論調査の項目にこんな質問をわざわざ紛れ込ませ、かつ、それ単独で記事にまでしてしまう意図としては、

朝日新聞

GWを10連休にしたって、喜んでいる国民は少数派だよ。政府のやることってトンチンカンだよね。

ということでしょうし、実際、その通りなのかもしれません。

 冒頭で「GW10連休嬉しい」と書いた私でも、このことは必ずしも歓迎されない、とは思っていました。

のび太がアツく語った「祝日無しのつまらなさ」

 さて、政府のやり方がトンチンカンなのかどうかについては、おいておきましょう。

 ここでは、何で私達はそのような長期連休を喜べなくなってしまったのか? ということについて考えてみたいと思っています。何たって、それは私達自身に対する問題提起なのですから。

 ドラえもん「ぐうたらの日」の回では、のび太が6月に祝日が無いことを嘆き、政治家の演説のごとく、次のように熱弁をふるっています(適宜、平仮名を漢字に改め、句読点を追加しました)。

ぼくの嫌いな六月!
一年を通じて、最も不愉快な六月!
なぜだって? わかりきったこときくんだな。
六月には、国民の祝日が一日もないんだぞ。
春休みとも夏休みとも関係ない…。
日曜のほか一日も休めない。
こんなつまんない月があるか!

 テキストに起こしてみると、一篇のポエムとして立派に成立しています。藤子F先生は本当に天才だと思います。

 それはともかく、のび太のこの言い分に対し、主たる読者層であった当時の小学生の大多数は「その通りだ」と賛同したことでしょう。もしのび太が今の時代に小学生だったとして、GWが10連休になると聞いたなら、それはそれは喜んだはずです。

 休日無しはつまらない。学校には行きたくない。私達が小学生だったあの頃は、それが当たり前の感覚だったのです。

 ・・・・それなのに、いつしか長期連休が嬉しくなくなった・・・・

 

年代を重ねるごとに長期連休が喜べなくなる

 先の朝日の記事では、年代別でも集計をとっているので見てみましょう。

GWの10連休「うれしくない」45% 主婦層は53%

「うれしい」は若年層ほど多く、18~29歳は58%、30代は43%に対し、60代は25%、70歳以上は18%だった。

 30代までは「うれしい」が全体平均より多くなっていますが、小学生時代のように、それが大多数を占めるには至っていない。

 私が最も興味を寄せている40・50代については記事に載っていませんが、若年層ほど「うれしい」が多いとのことなので、これらの年代の「うれしい」は、25~43%の範囲内ということになります。小学生の頃のワクワク感が、この年代になると見る影も無い感じです。

  • 60代以上については、多くは定年後でGWとか関係無さそうなので、ここでは触れないことにします。

 年代を重ねるにつれ、長期連休が嬉しくなくなる理由ですが、まず挙げられるのは、やはり「仕事」の存在でしょう(主婦・主夫の家事を含む)。

 仕事をしてないどころか、受験とも無縁な小学生は、純粋に休みを楽しむことができます。しかし大人になると(特に就職後は)、連休だからといって、ただ遊んでいればいいものではありません

 飲食店やサービス業・運輸業などは、むしろ連休中こそが本番。主婦・主夫も、家事や子どもの世話で大変。カレンダー通りに休める人も、連休の前後(特に後)は仕事が集中して、そのことを考えると憂鬱です。

 仕事の重圧は年々大きくなり、結婚して子供を持つと、家庭運営の重圧も加わる。年齢を重ねるにつれ、せっかくの連休を妨害する要素が増えていき、結果、連休が嬉しくない比率が高まっていくのでしょう。

 こう考えると、「うれしい」が6割近い18~29歳についても、そう答えた多くは学生であり、社会人に限定すれば「うれしい」の比率はもっと少ないでしょうね。

結局、長期連休の使い方が分からない

 でも、仕事だけが原因とも思えません。

 仕事が大変なのは確かにあるのですが、「連休中に楽しい出来事が待っている」と思えれば、それはやはり嬉しいことなのではないでしょうか。

 にも関わらず連休が嬉しくないのは、結局、「連休が楽しくない」のだと思います。

 なぜ連休が楽しくないのか。

 仕事が、連休の楽しさを妨害するから、というのは一面の真実でしょう。

 しかし、もう一面の真実として、多くの人が長期連休というものに慣れていない、言い換えれば、10連休をどのように使ったらいいか分からない、ということがあるのではないでしょうか。

 考えてみれば、学生時代、長期休みには、旅行に行くなり、(遊ぶ金を稼ぐための)バイトをするなり、平日に読めなかった長編に取り組むなり、積んであったゲームをするなり、趣味に没頭するなり、誰かの家に泊まりにいくなり、いくらでもやることがあったはず

 でも、年齢を重ねるにつれ、多くの人はそういうことをやらなくなります。せいぜい、よくある観光地に家族と行くくらいですが、繁忙期料金を払わされた上に、どこも黒山の人だかり

 観光地から帰ってきても、他にやることを思いつかないので、家にいてゴロゴロしていると、奥さんから鬱陶しがられて、こう思う。

左・吹き出し
連休を持て余している人

こんなんだったら、連休はせいぜい3~4日くらいにしてもらって、あとは会社へ行った方がマシだ。

 正直、書いていて情けなくなってきましたが、結局こんなところではないでしょうか。

 政府がいくら10連休というお膳立てをしたところで、多くの人々には長期連休を楽しむノウハウが無いので、ただ戸惑うばかりなのだと思います。

連休を喜べない心理とリタイアを厭う心理は通じている

 以上述べてきた「10連休を喜べない心理」と、「リタイアを厭(いと)う心理」は、互いに通ずるものがあることを、最後に指摘しておきます(ここで言うリタイアは「早期」「定年」を問わない)。

左・吹き出し
リタイア嫌な人

リタイアしてブラブラするよりも、会社行って仕事していた方がいいよ。

 この種の言い方をする人の多くは、会社に行かないことで自由時間が多く生ずることに対して、ポジティブに捉えることが出来ないのかも知れません。だから、こういう人が「10連休は嬉しいか?」と問われたら、大抵は「嬉しくない」と答えるでしょうね。

 もちろん、仕事とプライベートの充実を上手く両立している人もいるでしょうから、全てがそうだとは言いませんが。

 

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